内装解体は
解体範囲や内容によって
費⽤が⼤きく変動します。
内装解体は、建物の構造を残しながら内部を解体する⼯事で、リフォーム前の準備やテナント退去時の原状回復などで⾏われます。
しかし、解体範囲や内容によって費⽤が⼤きく変動するため、価格の⽬安や作業の流れ、注意すべきポイントをしっかり把握することが重要です。

内装材の解体・撤去
①壁の撤去
作業内容 | 価格(円/㎡) | 備考 |
---|---|---|
⽯膏ボード壁撤去 | 1,500〜3,500 | 下地(軽鉄or⽊軸)による |
軽量鉄⾻間仕切り撤去 | 2,500〜4,500 | 鉄⾻の密度・壁仕上げ材による |
⽊造間仕切り撤去 | 2,000〜4,000 | 施⼯⽅法による |
RC(コンクリート)壁撤去 | 8,000〜15,000 | ハツリ作業を伴うため⾼額 |
タイル壁撤去 | 3,500〜7,000 | モルタル・コンクリート下地かによる |
壁紙(クロス)剥がし | 300〜1,000 | 糊の強度・下地処理の必要性による |
⽊パネル・合板壁撤去 | 2,000〜5,000 | 接着剤使⽤の有無で変動 |
②天井の撤去
作業内容 | 価格(円/㎡) | 備考 |
---|---|---|
軽量鉄⾻天井撤去 | 1,500〜3,500 | 軽天+⽯膏ボードの場合 |
吊り天井撤去(ボード・ジプトーン) | 2,500〜4,500 | 下地の状態により変動 |
⽊組天井撤去 | 3,000〜6,000 | 施⼯⽅法により変動 |
塗装仕上げ天井撤去 | 3,000〜7,000 | 剥がしにくい場合、追加費⽤あり |
天井裏断熱材撤去 | 1,500〜3,500 | グラスウール・ウレタンの種類による |
③壁の撤去
作業内容 | 価格(円/㎡) | 備考 |
---|---|---|
フローリング剥がし | 1,500〜3,500 | 直貼りor捨て貼りで価格変動 |
クッションフロア剥がし | 500〜2,500 | 糊の強さによる |
タイルカーペット撤去 | 800〜2,000 | 接着剤の有無で変動 |
フロアタイル撤去 | 1,500〜4,000 | 接着剤の種類による |
タイル床撤去 | 3,500〜7,000 | モルタル施⼯の有無で価格変動 |
コンクリート床仕上げ撤去 | 3,000〜7,000 | 厚み・補修作業の有無で価格変動 |
設備機器の撤去
作業内容 | 価格(円) | 備考 |
---|---|---|
キッチン撤去 | 15,000〜50,000 | システムキッチンは⾼額 |
IHクッキングヒーター撤去 | 5,000〜15,000 | 電気配線処理込み |
ガスコンロ撤去 | 3,000〜10,000 | ガス管処理込み |
トイレ撤去 | 10,000〜30,000 | 配管の閉塞処理が必要 |
便器のみ撤去 | 5,000〜10,000 | ⼩便器や和式便器は⾼額 |
ユニットバス撤去 | 30,000〜80,000 | サイズ・構造により価格変動 |
浴槽撤去(単体) | 10,000〜30,000 | 埋め込みタイプは⾼額 |
洗⾯台撤去 | 5,000〜15,000 | 給排⽔処理込み |
エアコン撤去 | 5,000〜20,000 | 室外機撤去含む |
換気扇撤去 | 3,000〜8,000 | 配線処理の有無で変動 |
給湯器撤去 | 10,000〜30,000 | 配管の閉塞処理込み |
造作家具・建具の撤去
作業内容 | 価格(円) | 備考 |
---|---|---|
造作家具撤去(カウンター・棚) | 3,000〜10,000 | サイズ・固定⽅法で変動 |
クローゼット撤去 | 8,000〜30,000 | 埋め込みタイプは⾼額 |
ガラスパーテーション撤去 | 5,000〜15,000 | 強化ガラスの処理費がかかる |
扉・ドア撤去(単体) | 3,000〜8,000 | ⽊製・アルミ製で価格変動 |
引き⼾・襖撤去 | 2,000〜5,000 | レール撤去の有無で変動 |
スケルトン解体(全撤去)
作業内容 | 価格(円/㎡) | 備考 |
---|---|---|
スケルトン解体(全⾯解体) | 10,000〜30,000 | 内装・設備・間仕切り全撤去 |
飲⾷店スケルトン解体 | 15,000〜35,000 | ダクト・グリストラップ撤去込み |
オフィススケルトン解体 | 12,000〜28,000 | 電気配線・OAフロア撤去込み |
住宅フルリノベーション解体 | 8,000〜25,000 | リフォーム前提の解体 |
廃材処分
(産業廃棄物処理)
廃材種類 | 処分費⽤(円/㎥) | 備考 |
---|---|---|
⽊くず | 5,000〜10,000 | リサイクル可能なものは低コスト |
⽯膏ボード | 5,000〜12,000 | ⽯綿含有の有無で価格変動 |
コンクリートガラ | 5,000〜15,000 | 産廃処理施設への運搬費込み |
⾦属スクラップ | 0〜10,000 | 再利⽤可能な場合は安価 |
ガラス | 5,000〜15,000 | 強化ガラスは処分費が⾼い |
廃プラスチック | 10,000〜20,000 | 分別処理が必要 |
混合廃棄物 | 15,000〜30,000 | 分別作業が必要なため⾼額 |
まとめ
✅解体範囲を明確にし、無駄な作業を省くことでコストを削減
✅廃材処分費が全体のコストを⼤きく左右するため、分別作業を徹底
✅スケルトン解体の場合、配管・配線の処理費⽤を考慮
内装解体の価格は、物件の構造や使⽤されている素材によって⼤きく変動ます。正確な⾒積もりを取る際は、現地調査を⾏い、詳細な⼯事項⽬をチェックしましょう。

内装解体の作業の流れ・注意点・重要ポイント
内装解体は、建物の構造を残しながら、内部の仕上げや設備を撤去する⼯事です。しかし、事前準備や⼯程管理が不⼗分だと、⼯事の遅れや予想外の追加費⽤が発⽣することもあります。
本記事では、内装解体の作業の流れを細かく分解し、それぞれの注意点や重要ポイントを詳細に解説します。

内装解体の作業の流れ
事前準備(⼯事前の重要チェックポイント)
- 解体業者の選定・⾒積もり
- 3社以上の業者に相⾒積もりを取る。(「⼀式⾒積もり」ではなく、作業ごとの単価を細かく記載した⾒積もりを確認する
- 追加費⽤が発⽣しやすい項⽬(配線・配管の撤去、廃材処理、床下の処理など)を業者に詳しく聞く。
- 解体後の状態(スケルトン・原状回復・部分解体など)を明確にする。
- 近隣挨拶・管理会社との調整
- 騒⾳・振動・粉塵が発⽣するため、近隣住⺠やテナントへ事前に挨拶。
- どの程度の⾳が発⽣するか
- 作業時間帯
- ホコリや振動対策
- マンションやテナントビルでは、管理組合やビル管理会社の許可を取得。(作業時間・搬出ルールなどの確認)
- 騒⾳・振動・粉塵が発⽣するため、近隣住⺠やテナントへ事前に挨拶。
- 養⽣(解体作業による損傷・汚れ防⽌)
- 搬⼊・搬出経路の養⽣
- エレベーター・共⽤廊下・階段に保護シートを設置
- 作業⾞の駐⾞位置の確保(管理会社と調整)
- 室内の養⽣
- 残す部分(壁・床など)に養⽣シートを設置
- ホコリ防⽌のため、ビニールシートで開⼝部を密閉
- 防⾳シートを設置し、騒⾳を抑える
- 搬⼊・搬出経路の養⽣
解体作業(⼯程別に細かく解説)
- 電気・ガス・⽔道の停⽌・撤去
- ブレーカーを落とし、コンセント・照明を撤去
- ⽔道・ガスの配管を⽌め、不要な配管を撤去(配管を残す場合は養⽣)
- エアコン・給湯器などの設備を撤去(室外機の撤去も必要な場合がある)
- 什器・設備の撤去(キッチン・トイレ・造作家具など)
- キッチンやトイレは給排⽔管を破損しないように注意しながら解体
- ビルトイン家具や造作カウンターは、固定⽅法(ビス⽌め・接着)を確認しながら分解
- エアコンは冷媒ガスの処理が必要な場合があるため、専⾨業者が対応
- 内装材の撤去(天井→壁→床の順番で解体)
- 天井材の撤去(最初に⾏う理由:落下物の危険を防ぐ)
- 軽天井(軽量鉄⾻下地)の場合、天井材を剥がしてから軽量鉄⾻を撤去
- 吊り天井や梁がある場合、構造体を確認しながら慎重に解体
- 壁の撤去(間仕切りやボード・タイル)
- ⽯膏ボードは、ビスや釘の位置を確認して剥がす
- タイル壁は、下地がモルタルの場合、電動⼯具が必要
- 配線・配管が壁内にある可能性があるため、解体前に確認
- 床材の撤去(最後に⾏う理由:作業時の⾜場確保)
- フローリングやカーペットを剥がす
- 接着剤や下地の状態により、剥がし作業の難易度が変わる
- 天井材の撤去(最初に⾏う理由:落下物の危険を防ぐ)
- 廃材の分別・搬出
- 産業廃棄物として適切に処理(リサイクル法に基づく)
- ⽊材、⽯膏ボード、⾦属、ガラスなどを分別
- 再利⽤できる⾦属や⽊材はリサイクル
- 産業廃棄物として適切に処理(リサイクル法に基づく)
仕上げ・清掃(解体後の状態を整える)
- 清掃作業(粉塵・残材の撤去)
- 掃き掃除・バキュームで粉塵を除去
- 床⾯・壁⾯の仕上げ確認(次の施⼯ができる状態にする)
- 撤去後の確認
- 依頼主と業者で「指定通りの状態になっているか」をチェック
- 配管や配線がむき出しになっていないか、確認が必要
2内装解体の重要な
注意点・ポイント
- 追加費⽤を防ぐためのチェックポイント
- 床下・壁内に想定外の設備がないか事前確認
- アスベスト含有建材の有無を調査(特別処理が必要で費⽤増)
- 原状回復の場合、管理会社の基準を事前に確認(追加⼯事が発⽣しないように)
- 近隣トラブルを防ぐ⽅法
- 作業時間帯を配慮(早朝・夜間の⼯事は避ける)
- 騒⾳・振動対策を徹底(防⾳シート設置・電動⼯具の使⽤時間を制限)
- ホコリ対策として散⽔・防塵シートを活⽤
- ⼯事完了後の確認ポイント
- 床・壁・天井に解体後の破損や不要な配管がないか
- 廃材が全て適切に処理されているか(現場に残置物がないか確認)
- 次の⼯事業者と連携し、仕上げの確認を⾏う
内装解体を
成功させるための
最重要ポイント
- 事前の調査と⾒積もりを徹底する(相⾒積もりを取り、⼯事項⽬を細かく確認)
- 追加費⽤が発⽣しやすい項⽬を事前にチェック(アスベスト・配管・下地補修)
- 解体後の仕上がりを確認し、次の施⼯がスムーズに進むようにする
- 近隣への配慮を忘れずに(騒⾳・粉塵対策、事前挨拶)
内装解体は、ただ壊すだけでなく、次の⼯程を考慮した慎重な作業が必要です。
事前準備をしっかり⾏い、安全かつスムーズに解体⼯事を進めましょう!